偶然によって生まれる命
わたしたち人間にあっては、女性の卵子は一時に一細胞だけしか受胎しないのに、それに対する男性のほうは一億もの多量の受胎可能な精子を送り出します。
・・・してみれば、人間が生まれるか生まれないかの機会が、いかに偶発的で運まかせなものであるかが、わかるではありませんか。
双生児の生まれる機会はもっと偶発的ですね。
三ツ児・四ツ児・五ツ児の生まれる機会などということになると、もうまったく絶望にちかいほどの機会しかかんがえられないのです。
・・・それでいて、なおその奇蹟にちかい奇蹟が、往々にして偶発するのだから世のなかは奇妙奇天烈としか言いようがありません。
人生の最初の出発という出生の事実そのものが、まさに運もしくは偶然の、もっとも興味ある実例であるという考え方・・・
これは、フランスの有名な数学者アンリ・ポアンカレの考えの基礎になっていたと思われるのです。