あの女性は・・・6
整然と片づいたスタジオ。
大きなスケジュール帳。
クライアント関係の書類や保存用のフ・ルムが置かれたオフィス。
すべてが段取りよく、システマティックだった。
そういう意味で彼女はフランス的というよりは、むしろアングロサクソン的であるような気がしました。
露出計も持ってこない、試し撮りのボラも切らない、請求書はしょっちゅう送り忘れる・・・というような、何というか非常に「感覚派」的なカメラマンが多いフランスで、彼女のように緻密で整理整頓されたカメラマンというのは、確かに希有な存在だった。
とにかく彼女には自分の流儀というものがしっかりと確立していて、すべてその流儀にしたがって執り行われなければならない、そういう少し偏屈なところもあった。
それこそ10以上も年下の私が口出しする余地はどこにも見当たらないのだった。